2021年楽曲10選
こんにちは!!!
2021年に間に合わなかった………
2021年はアニソンにハマり始めた!ということもあり、新しいことづくめの一年でした。
アニソン派などのトーク番組を見たり、インタビュー記事やいろんな人のブログを読んでみたり、電音部のDJイベントや様々なアーティストさんのライブを観たり……などなど本当に盛りだくさん。
新しいことを知るたびに今まで聴いてた楽曲に新しい魅力を見つけられて、さらに新しい領域が広がって……と本当に楽しい一年でした。
というわけで、そんな中で出会った素敵な楽曲を10曲取り上げて、あれやこれや書いていこうと思います!!
楽曲の選出基準ですが
・2021年に配信開始・購入可能になった楽曲
・作家・アーティストの被りがないように極力努める
とします。
今回も楽しくゆったり書いていこうと思っていますので、ぜひ読んでいってください!
- Starcast - 石原夏織
- Night Camp - 小林愛香
- 傘の中でキスして - 伊藤美来
- 標火 - やなぎなぎ
- Instant Love - La prière
- Act 10 ~Dear My Characters~ - 安野希世乃
- MEDAL SUZDAL PANIC◎〇● - 神楽ひかり(三森すずこ)、露崎まひる(岩田陽葵)
- 透明できれい - DIALOGUE+
- pop enemy (feat. Shinpei Nasuno) - 日高零奈 (蔀 祐佳)、東雲和音 (天音みほ)、茅野ふたば (堀越せな)
- シルエット - 牧野由依
- おわりに
Starcast - 石原夏織
作詞:やなぎなぎ、作・編曲:栁舘周平
石原夏織さんの7thシングル表題曲です。
「心の距離」をテーマに作られたそうなんですが、決して悲しい曲ではなく、むしろ聴き手の気持ちを置き去りにしない、夢と希望あふれる世界へと一緒に連れて行ってくれるメチャクチャ素敵な楽曲になっています。
窓を震わせる雫
街並みが斑らに溶けてく夜
雨が星になって降り注いだら
願いごとをしよう
この窓→街→星のモチーフの展開、まさに星空の上まで連れて行ってくれるような感覚を覚えます。
これから始まる物語の予感としてメチャクチャ良いですよね……
しっとりと幕を開けるイントロの歌詞のスケールアップ感、夢の世界への冒険に合わせて、ここからサウンドとメロディが一気に展開していくんですよね!!!
そこからのめくるめくカラフルなメロディやリズムたちは、もう流石栁舘周平さんという感じで、やなぎなぎさんの歌詞とともに石原夏織さんの寂しさや願いを情感たっぷりに描きあげています。
全体を通した歌詞のバランス感も本当に絶妙なんですよね。
冒頭に挙げたおとぎ話のような詩的な世界観も孕みつつ、石原夏織さんのスタンスが伺えるような背伸びし過ぎない、等身大な言葉が散りばめられているのも、この曲の「君と私が同じ夢を見て、同じところに行けたらいいね」という気持ちが、心の真ん中にまっすぐ伝わってくるようでとっても素敵です。
降り注ぐ星あつめて
夜空中に架けた橋
近道するよりも大胆なルートで
もしも橋の真ん中でキミと出会えたのなら
それは願いの答え合わせだね
このサビが「願いの答え合わせだね」で帰結するの、本当に良すぎる………
楽曲にクレジットされたすべての方が同じ方向を向いて、丁寧に素敵に作り上げられた最高の楽曲だな、と感じました。
Night Camp - 小林愛香
小林愛香さんの1stアルバム『Gradation Collection』の収録曲です。
アニソン派でこの楽曲を知って聴いてみたのですが、詩人の方が作詞に参加されるとこうなるのか……!!みたいな感動で溢れた楽曲でした。
歌詞ってストーリーを描いていたり、ある感情を掻き立てるようなもの、と思っているのですが、なんというか、すべてのフレーズが美しい文であることで、また、力強い魂を伴うことで、こんなことが起きるのか、これは並々ならぬものだ……!という感触を覚えます。
歌詞に耳をやると、他の楽曲を聴いてるときとは違う、まるで詩や小説を聞いてるような気持ちになるんですよね……
輪になって どれくらいだろう
夏の星空 火の粉のささやき
もうこの数フレーズで一気にその世界の情景や空気に包まれるんです……。
景色のことを描いているんだから……みたいなところを超えて、言葉回しや尺の妙、サウンドの手触りとか、そういう力で一気にこの夏の夜の世界に引き込まれるような感覚に陥ります。
そして何よりも、この楽曲での小林愛香さんの絶妙な歌の力によるものが大きいんですよね……!!!!!
その芯のある歌声で、詩を読むように言葉を一つ一つ大切に確かめながら、それぞれに感情を灯しながら……という丁寧なアプローチをされており、声優さんだからこそ、小林愛香さんだからこそ!!という魅力がこの楽曲にはあるな……と感じます。
詩って美しいもので読者を満たす、みたいなところに加えて、なにかを読み手に問いかけたりする力を持っているのかな、と思っているのですが、この歌詞にもそんな問いかけが込められているような、と感じるんですよね。
そしてそれは聴手への問いかけではなく、小林愛香さんと詩の対話になっているような気がするんです。
すべてが夢のように 遠くへとかき消す
日の出がぼくらを 帰らせるけど
大人になったとしても 灰になったとしても
あの炎を灯しつづけよう
この自らの対話の中での結論がサウンドの起伏や、この次の曲のテーマだったり、そして小林愛香さんのこれからへの想いになっているように見えて、そういった点でこの曲がアルバムの最後から二曲目に存在している……ということに大きな意義を感じます。
また、そんな視点で曲を眺めると、メロディの合いの手のようになってるフィドルのフレーズに小林愛香さんが語りかけているような気もするし、そんなフィドルのフレーズが小林愛香さんに何かを語りかけているんじゃないか……なんて気持ちにもなってきます。
そんな不思議なイメージが湧いてくるのもこの楽曲の面白さだな……と感じます。
傘の中でキスして - 伊藤美来
作詞・作曲:栗山健太、編曲:田中ひなの
伊藤美来さんの9thシングル、『パスタ』のカップリング曲です。
個人的に『BEAM YOU』に通ずるような、外国的なレトロ可愛い、コロンとした質感を想起させられます。
やっぱりこういう肩の力を抜いたような楽曲が伊藤美来さんは絶妙に合うな……と改めて感じました。
ところでこの質感でこの歌詞の世界観やるの、ずるくないですか??????
雨の中を歩いて 傘の中でキスして
今日は素敵な日だから
君の嘘を知ってる 僕の心隠せば
今日は素敵な日だから
一段目のフレーズを引用した二段目のフレーズへの展開、巧みすぎる………
この二面性の表現によって、この世界観やキャラクター性が一気に鮮やかなものになってくるんですよね………。
こういう一撃で世界観に引き込ませる力をもった歌詞、凄く大好きです。
それでいて、この二段目の「僕の心隠せば」の伊藤美来さんの高音の歌い方が本当に素敵で!!!!!
表現そのものももちろん魅力的なんですが、「表には出せないんだけど、切ないし寂しい……」みたいな複雑な乙女心感をバッチリ本物へと引き上げていて、流石伊藤美来さん……!と思わずにはいられません。
その内面や情緒を全体を通してしっとりと描きあげて、最後にまたイントロの言葉へと結ばれていく……というストーリーラインも含めて大好きな一曲です。
表題曲の『パスタ』も凄く素敵な曲で、今年最後に「これぞ伊藤美来さん!!」なシングルがリリースされたことがとっても嬉しいです。
来年の活動も楽しみにしております……!!!
標火 - やなぎなぎ
作詞・作曲:やなぎなぎ、編曲:照井順政
TVアニメ「最果てのパラディン」のED曲です。
やなぎなぎさんで被ってしまいましたが、『Starcast』と『標火』のどちらかを外すという選択は僕には取れませんでした。俺は弱い………
照井順政さん、ポストロックやプログレが主戦場の方なのかな?と勝手に感じていたんですが、この楽曲を聴いて「この王道なジャンルで、しかもこんなアプローチも出来る方なのか……!!!」と心底驚きました。
やなぎなぎさんのエモーショナルなメロディにしっかりと寄り添いつつ、ひとつひとつのサウンドの響きで世界や空気感に深みを与えるようなアプローチがなされているんですよね。
それでいてBメロに不思議に漂うギターが居たりと、ポップスなんだけどポップスには収まりきっていないような、何度聴いても面白いサウンドになっているなと感じます。
出だしの凍りつきそうな空気感の表現からもう凄まじくって……!!
また、やなぎなぎさんの震えるような声が、その冷たさに一層のリアリティを与えているんですよ………
その冷たい空気の中から芽生えてくる想いや力が時間の経過に合わせて、確信や力強さを得ていくような楽曲になってるんですが、その表現におけるサウンドもボーカルも抜群すぎる!!!
特にサビ前のフレーズが、繰り返しを経るごとに強いサウンドになって現れるところがお気に入りです。
これのおかげで、一見徐々にしか強くならない繊細なボーカルがたしかな強さをその内に秘めていっているように感じられるんですよね……
やなぎなぎさんと照井順政さんの最高のコンビネーションが発揮された本当に素敵な楽曲。
冬のテイストをまとった曲が好きということもあり、個人的2021年のNo.1楽曲です!
Instant Love - La prière
作詞:棗いつき、作・編曲:aran
La prièreさんが2021年4月より毎月楽曲をリリースされていたそうなんですが、そのうちの一曲です。
なんだか気がついたら繰り返し聴いてた……な、静かに魅力を放つ楽曲だと感じました。
曲全体に流れる無機質でメロウな質感が、体にスッと馴染むような感触があるんですよね。
EDMなんですがビート感は抑えめで、でもちゃんと気持ちいい音が聴ける〜〜みたいな。
そんな雰囲気をまとった歌詞を、落ち着いたキュートな歌声で歌ってくれるのがとっても心地いいんですよね……
しかしただ落ち着いて……というわけではなく、Bメロでそんなキュートな歌声がパンニングで縦横無尽に駆け巡るような耳の気持ちよさがあったり、サビで抑えた叫びを上げるというような展開的な面白みもしっかりと孕んでいて、気がついたら記憶に残っていて「あ、また聴きたいな」とふと感じてしまうんですよね。
心落ち着けて、しかし気持ちよく楽しく聴ける素敵な楽曲です。
Act 10 ~Dear My Characters~ - 安野希世乃
作詞:安野希世乃、作・編曲:川崎智哉
カップリング曲ではありますが、安野希世乃さんの声優10周年を飾る楽曲だそうです。
メチャクチャ上質なビッグバンド曲……!!
安野さんの声ってなんというか、幸せそのものだな、という感覚を覚えていたのですが、それがビッグバンドと絡み合うことで格別の多幸感が放たれているんですよね。
これまで柔らかい安野さんの歌声を多くお聴きしてたんですが、今回の楽曲は持ち味の柔らかさもありつつ力強い……!!このアプローチもとっても素敵ですね……
そんな力強さによってまっすぐな言葉達が歌われることによって、ある種の爽快感も生まれていますよね。
この上ないアニバーサリー感で満ち満ちています。
また、安野希世乃さんが作詞された歌詞がとってもとっても素敵なんです……
”演じる”ということへの真摯さ、そして幸せで溢れかえっているんですよね。
それは”演じる”という行為以上の、まるで生きた人間と向き合うようでいて。
その奥底の内面に向き合おうとする……そして、そんなキャラクターたちと寄り添い合って最高の物語を届けられるように、キャラクターたちの素敵さに追いつこうとしている安野希世乃さんの”声優”という職業への、真摯でエモーショナルな姿がありありと伝わってくるんです。
届けたいフィナーレの先まで
お楽しみさ 奏でよう
Happy ending never ends
声優さんからこんな言葉が出てくるの嬉しすぎない……!!??
キャラクターたちが生きているということを信じていて、そんなキャラクターたちが生きている世界を届けたい。そんなキャラクターたちと分かち合った日々と歩いて行こう、という気持ちが伝わってくるようで凄くグッと来ました……
一アニメファンとして、こんな素敵な方が作品に関わっていただけているということが嬉しいですし、安野希世乃さんの楽しくもきっと大変だった日々の足跡が薄っすらと滲んでいるようにも見えて、心に迫るものを感じてしまいます。
安野希世乃さんの楽しさも苦しさも、そのすべてが幸せなんだと届けてくれる、最高で素敵なアニバーサーリー楽曲です。
MEDAL SUZDAL PANIC◎〇● - 神楽ひかり(三森すずこ)、露崎まひる(岩田陽葵)
映画『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の劇中曲です。
映画の劇中曲としての秀逸さもさることながら、フィルムスコアリングという特殊なアプローチを取った中で、改めて曲だけを聴いた時の感触もまた素晴らしく、そういった点で数ある劇中曲の中からこちらを選ばせていただきました……!
本心とは別の、映画としての役割という次元でひかりを試し、追い詰め、そして分かち合い送り出す……という一連の劇の中で使われる楽曲なんですが、その一連の感情や場面の変化に対する演出を、基本的に一つのメロディラインをモチーフとして多彩にアレンジすることで描き出す……というアプローチで行っているんですよね。
まずそのメロディラインのキャッチーさが凄まじく、それでいて各種のアレンジも本当にバリエーション豊かだし全部クオリティが高すぎる……!!!!
広川恵一さんの強さがバチバチに出てるな………という感じです。
それを生音で聴けるんだからもうたまらん、ありがとうスタァライト。
スリラーな場面はまひるのポップな演技からの落差やボーカルエフェクトも相まって、「こ、殺される……」な恐怖に包まれますし、感動のクライマックスは何度聴いても泣いちゃう。映像観てないのに。
あんな優しいサウンドと優しい歌声聴いたら泣いちゃうよな……
この曲に限らずなんですが、この映画の劇中曲、曲だけであの映画の一シーンをもう一度観ているかのような体験を得られてしまうんですよね。
フィルムスコアリング故の余白のお陰でもあるのかな?となんとなく考えていて、その余白が聴手に想像を促したり、あの鮮烈な映像を重ねさせているような気がするんですよね。
しかしフィルムスコアリングだから、というだけではなく、あの二度と忘れられない強烈な映画体験があったから、そして、その映像たちが最高に生きるような曲と演技であるから、楽曲を聴いただけでこんなにも濃密な体験をすることが出来るんじゃないかな……と思います。
ここに唯一無二の楽曲体験がある、と確信をもって感じられます。
透明できれい - DIALOGUE+
作詞:田淵智也、作曲:瀬名航、編曲:伊藤翼
DIALOGUE+さんの1stアルバム『DIALOGUE+1』の収録曲です。
これまで全身全霊を見せてきてくれた彼女たちからこんな楽曲を出されたら、もうこれからに目が離せなくない……!!!???
これからの未来に確信を得ているようで、実はがむしゃらに困難へ立ち向かっているんだという等身大さを感じられて。
その原動力ってなんだか説明しきれないけど、様々なものをひっくるめた今なんだ!!!!!みたいなあやふやさもあって……
そういった破天荒なんだけど、悩んだりすることもある彼女たちらしさの”今”が美しく切り取られているし、そんな彼女たちが「だから一緒に行こう?」と手を差し出しているような、そんな”今”と”これから”の全部が詰まった歌詞なんですよね……
言葉での距離感や目線の動き、メチャクチャ凄くないですか……!!??
どうしようもないくらい今が好きだよ
透明できれいでそしてあったかい
根拠なんかなくても欲しくもないよ
だってさ 目を見ればわかるの
このフレーズの展開とかまさしくそうですよね。
ここから
どうしようもないくらい好きになってね
大丈夫 僕たちがさせるから
ここに帰結するの、ファンのみんなを信じているし、でも私達が頑張るんだ!!!!みたいな彼女たちらしさに溢れた自問自答でメチャクチャ良いな……と感じました。
それでいてメロディも最高だし、アレンジがまた本当に素敵なんですよ……!!!
エモーショナルでありつつ、それ一辺倒ではない彼女たちの勢いや感情の渦みたいなものが豊かに表現されていて、何度も何度も聴きたくなっちゃう魅力に溢れています。
だけどそれだけで終わるなら
僕たちががんばってる理由にならない
Bメロのここでピアノだけに落ちて力強くドラムが入るところが特にお気に入りです……
落ちサビのストリングスも極上すぎる………
彼女たちの”今”と”これから”の表明であり、聴いている僕たちを同じところに連れて行ってくれる、とっても素敵な楽曲です。
pop enemy (feat. Shinpei Nasuno) - 日高零奈 (蔀 祐佳)、東雲和音 (天音みほ)、茅野ふたば (堀越せな)
作詞・作曲・編曲:Shinpei Nasuno
電音部、アキバエリアの楽曲です。
「アキバエリア」という、一番ポップ寄りという枠組みの中で最強の曲が出たのでは???と個人的に思います。
メロ・曲の構成、凄すぎないですか??
導入はEDM的なポップスの様でありつつ、中盤に行くにつれてそのメロを分解・再構築したEDMに展開していくの「アキバエリア」そのものだな、という感じで本当に凄い…………
しかもメロも抜群に良いし、再構築のアプローチもハイセンス過ぎて、ある種の貫禄すら感じてしまいます。
歌詞もメチャクチャ良くって、メロウな女の子達の感じもグッとくるし、その言葉選びから出るビート感もこの曲のひたすら乗れる感じをより増幅させてくれています。
あとベースが強くて良い……!!!!俺はベースが強い曲が大好き…………
アキバエリア、いや、2021年最強の電音部楽曲だと思いました。
シルエット - 牧野由依
作詞:河邉 徹(WEAVER)、作曲:杉本雄治(WEAVER)、 編曲:MEG
牧野由依さんの二年ぶりとなる楽曲とのことです。
「ファンとの絆、そしてこれから」の想いの表明とあるように、前向きな曲であると思いますし、歌詞からもそのメッセージを受け取れるのですが、それ以上の何かを感じてしまうんですよね。
歌詞が多面性を持っているからかな?と思っていて、「ファンとの関係性」のこととも受け取れつつ、死した誰かへの想いのようにも見えてならないんですよね。
そして、サウンドとボーカルがその空気感をより強めているように感じるんです。
本楽曲ではWEAVERさんというピアノ・ベース・ドラムのスリーピースバンドがバックを演奏されているのですが、ギターが居ないことで生まれる不思議な空白を、この楽曲では「儚さ」や「切なさ」といったものに転換させているんですよね。
そんな空白の中で、あまりにも情感豊かな牧野由依さんのボーカルが響き渡るんですよ……!!!
切ない、悲しい……という感情で溢れている歌なんですが、そのより細かい手触りを声の力で描ききっていて、その感情の生々しさみたいなものがひしひしと伝わってくるんです。
そんな生々しさがサウンドの空白と絡み合うことで、なんというか、ドラマチックなんだけど悲しい、エモーショナルな空白みたいなものになっていて、歌詞に漂う「死した誰かへの想い」らしさに真実味を与えているような気がするんですよね。
また、この歌詞にこのジャケットを持ってくるあたりにも、そういった”死”の匂いを感じてしまうんです。
じゃあそういったところから香ってくる”死”ってなんなんだろう、と思いを馳せたときに、時世的に活動を控えざるを得なかったあの時期の牧野由依さんの絶望だったりするのかなと、そんなことを身勝手に感じてしまいます。
一人きり 答えのない
不安を抱えた夜は
光と影の輪郭なぞって
君と見た空を描いた
「光と影の輪郭なぞって」という表現、凄すぎる………
やはりこういうところから、明るい過去と今との強烈なコントラストを感じてしまうんですよね。
しかし、そんな絶望を越えた”これから”に、確かに目を向けていらっしゃる、とも感じるんです。
シルエット 僕ら過ごした時間はもう
思い出の中で光に変わって
新しい景色を
見つけに行こうよ
当たり前の奇跡
見つけたから
消えない輝きを胸抱いて
光を浴びて
そんな想いを強く感じる最後のこの歌詞、本当に素敵ですよね………
牧野由依さんの想いが、その色彩豊かなボーカル力によって十二分に描かれた名曲です。
もっと牧野由依さんの楽曲がリリースされてほしいと切に願います……!!!!
おわりに
おわりです!!!!!!!!!書けた〜〜〜〜〜〜〜〜
楽曲の感想を文章にするの、結構大変なんですが、普段曲に対してなんとなく抱いていたものの正体を確かめに行くようで「そう感じていたんだ…!」みたいな発見があり、楽しいです。
2021年も素敵な楽曲がいっぱいありましたね。この10曲を選ぶのにも相当苦労しました。
2022年も素敵な楽曲に出会えることを楽しみにしています!!!
ここまで読んでくださってありがとうございました!!!!!!