『映画大好きポンポさん』を観た
Prime Videoについに登場したとのことで、満を持して観ました!!!!!!
いやもう、なんなんだこの映画、凄すぎる……………久しぶりに映画でボロ泣きしちゃった………
ものづくりをする人々を描く作品はいくつかありますが、ここまでドロドロに滾った熱量と夢で殴る作品があっただろうか……!!!!!
この映画に在る全部の感情がまるで自分がスクリーンの中に、あの現場に居るようなリアルを持って迫ってくる……!!!!
なにより信じられないのがこのあまりにも濃密な物語をたったの90分に収めたということ!!!!!!!
それは映画の中のジーン君と同じようにまさしく苦しみながら削り上げられたはずなんですが、そこには一切の妥協や、お話としての不足を感じないんですよ………
ジーン君やナタリーがいかに映画しか残っていないかという切迫した状況も、そして彼らがどれだけ映画を愛しているかが、映画づくりの過程や過去の描写でしっかり描かれている。
そして同じ夢を見た人々と起こし続けるミラクルの中で撮れたカットの尊さ、その体験自体への喜びという、そのカットを編集で切り捨てることの意味も描かれている。
やがてジーン君は作っている映画の物語を通し、そして様々な人の映画づくりの哲学を飲みこみ、何かを捨てねば自分が求める何かは得られないという事実を痛烈に感じる。
その事実を力強く我々に訴えかけながら最後の編集作業へと臨むその姿は、花譜さんの曲も相まって、それはそれは恐ろしく巨大なカタルシスとなっていて…………
後半はもはやずっとボロ泣きでした。
花譜さんの曲、本当に良いのでぜひ……
……そう、こんなにも濃密な物語をたったの90分に収めているんです!!!!!!!!!!
なんならここに冒頭と後半の編集作業での対比という″映画的な面白さ″を織り交ぜたり、銀行員の友人がものづくりの熱に当てられて変容していく様など、多様なドラマや面白さをこれでもかと詰め込んでるんですよ………本当に信じられない………………
しかし、これだけの短い時間だからこそ全てのカットが雄弁になったんだろうな、とも感じます。
この映画には意味のないカットが本当に存在しない。色ですら意味を持っているんですから………
そう、まずどのカットも完成度が高すぎるんですよね。画として魅力的だし、そのカットからカットへの遷移もこんな手があったのか!!!という驚きの連続!!!
本気の映画作りを題材にしているのは伊達じゃない!!!映画として間違いなく一級品だと感じます。
そしてこの「90分」という時間が大きなメッセージを孕んでいるように感じられるんですよね。
ポンポさんが理想の映画時間とは90分である、それは現代の視聴者の集中力の限界だから……と示しました。
その上で、一番最初のジーン君のカット作業の中で、「映像を面白く見せるにはある程度長い尺を要する」という一般論の存在を暗に伝えていますよね???
もうこれはポンポさんからのジーン君に、いや、映画を作る人への挑戦状なわけです。
そんなポンポさんを、視聴者をたったの90分で夢中にさせたこの映画はその挑戦状として大きな意味を持っていると思うのです!!!!!!!!!
現代の人の感覚に制作側が無理やり寄せようが、これだけ面白いものが作れるんだぜ。さあお前はどうだ??と問いかけてくるようです。(ポンポさんがB級映画をとにかく面白く作る人間だということも。それを補強しているように感じます。)
本映画の尺(エンドロールを除く)を90分にして明確にリンクさせているのがその証左ですよね、なんて挑発的なんだ…!!!!!
僕の本職はゲーム開発者なのですが、同じクリエイティブ職としてこんなもの観てしまったら、負けてられないぞ……!という感覚をどうしようもなくくすぐられますよね………
観る人を感動の渦に叩き落し、そして覚悟を奮い立たせてくれる傑作、『映画大好きポンポさん』。
これを映画館で観なかったことを本当に後悔しています……………………
今からでも遅くない、こんなにも素晴らしい作品を観ないなんて損だ!!!!
皆さん、ぜひぜひこの作品を観てみてください!!!!!!!!